世界平和を牽引するリーダーとして。 村主悠真氏インタビュー

様々な国への寄付、学校の建設や難民支援、地雷の除去や障がい者の支援など、様々な活動を通じて世界平和の実現に向けて活動をする村主氏にインタビューを行いました。
投資家として、慈善家として、アーティストとして、様々な顔を持ちながら世界を回り続ける彼の真の姿を深掘ります。

村主 悠真
19歳大阪大学在学中に起業し、五年間で約10社を連続で売却。 24歳でプライベートファンドを設立し、金融事業に参入。 国内外のファンドを運営し、事業のバイアウトを繰り返す。 30歳から社会貢献活動を開始。国内外の貧困問題を中心に寄付活動を広げる。 複数の一般社団法人やNPO法人の運営に携わり、 38歳で村主現代芸術文化財団を設立し、文化芸術への支援を開始。 39歳の今、日本の寄付文化の再構築を目指し、一般財団法人日本寄付財団を設立。 世界の最大公益化を目指し、非営利の世界に資本を流入させるべく活動中。


一番かっこいいヒーローになりたくて

現在、世界各国で平和活動をされていますが、村主さんが世界平和というものに興味を持ったそもそものきっかけについて教えてください。

子供の頃はまずはみんな、映画やアニメのヒーローに憧れると思うんですが、そこから少し現実を知りつつもスポーツ選手や芸能人だったりと、自分が思うそれぞれのスーパーヒーローになることを夢見ると思うんです。
ただそこから成長とともに更にリアルな現実が立ち塞がって、誰しもが等身大の夢を追いかけるようになると思うんです。僕も自分なりに最大限常識を越えた発想をしたつもりで、大学入学と同時に起業をしました。

ただあるとき、当たり前に目の前の会社の利益を追い続けるだけの人生に疑問を隠しきれなくなった時に、昔自分がヒーローになりたかった理由を思い返したことがあったんです。「戦争はなぜ起こるのだろう」「どうして人間同士で争うのだろう」と子供の頃にずっと考え続けていた自分を思い出しました。

そこから少しずつ自分の思考を意識的に拡張し、世界に視野を広げ、非営利活動や政治的な動きにも目を向けるようになりました。
そんな中で、もしかしたら自分が本当になりたかったヒーローには、これから本気を出せばなれるんじゃないか。もしかしたらそのヒーローは、どんな映画や漫画の中のヒーローよりもかっこいいんじゃないかと一瞬思っちゃったんですよね。今思い出してもあの時の大きな勘違いというか、現実を無視した大きな思考の飛躍をした自分を褒めてあげたいです(笑)

いつ頃から平和活動を始められたのでしょうか?

19歳で起業して、起業家としての人生が10年間ぐらい経過した中で、お金的にも時間的にも余裕が出てきたこともあり、28歳頃から活動を始めました。とはいえ、初めのうちは、世界平和と言っても抽象的すぎて何をすればいいか分からなかったので、バングラデシュで支援をしている友人の活動に関わらせてもらったり、インドやアフリカのシエラレオネでの支援活動など、年に1、2個のペースで少しずつ活動の範囲を広げていきました。

そこからご自身で日本寄付財団を立ち上げるまでの流れをお聞かせください。

活動を始めてから約10年ほどは支援活動に普通に参加したり、NPO法人や社団法人の運営に携わったりしていく中で、現場のリアルな様子や寄付する側・される側の気持ちなどを学んでいきました。
とてもピュアな思いで活動していた素晴らしい方が、お金が集まらなすぎてどんどん心も顔も悪くなっていく様子や、逆に想定外の寄付が集まったことで、急に使途不明金を連発して、最終的に自分の私腹を肥やすようになっていったり、主にお金の魔力に苦しめられる方が多かったんですが、そこは普通の株式会社と同じなんだなという学びもありました。

そんな様々なリアルを見させていただく中で、自分の人生の中における社会活動、平和活動の位置付けや、非営利業界の慣習などを踏まえた上で、自分なりの答えややり方が見えてきたので、その時点での自分の最適解として日本寄付財団をスタートさせました。


命の燃焼効率を最大化させたい

村主さんの活動の原動力はどこから湧いてくるのでしょうか?

日本と比べて安全でない、食べるものがない、生きていくのがやっとという国がたくさんあり、そういった人たちの環境改善に貢献したいというのが、僕の原動力の根底にあります。
一人の人間が生きている間にできることは限られているので、一人でも多くの人の支えになり、少しでも多く貢献できるために、活動の幅を広げていきたいと思っています。

活動をする中での喜びや苦労についてお聞かせください。

例えばこのインタビューの瞬間は僕はサウジアラビアに滞在していますが、サウジアラビアは、これから世界の中心になりうる国で、次のリーダーたちが世界をどう引っ張っていくのかワクワクしています。
こうした人の輪が、周辺のアラブ諸国から世界へと広がり、宇宙規模の抽象度で一緒に会話ができる人たちに出会えることが一番の喜びです。

逆に、一番つらいことは、支援をするということは、支援をしない人を決めるということです。
100%全ての人の支援はできないので、たくさんのオファーの中から選ぶ際には、いつも自分の無力さを痛感させられます。
また、宗教の違いによる支援先に対する評価の違いや、イデオロギーの違いや文化の違いなどによっても、寄付という行為自体の価値も変わってくるので、いつも難しさを感じています。

様々な宗教の指導者の方々と対談をしたり、表彰されてたりもしてましたよね?

イスラム教徒やキリスト教徒の方々からは特に「他人のために貢献しながら生きるというあなたの生き方は、わたしたちの宗教の教えの通りで理想的で素晴らしい。」と感動されます。
とても評価して感動してもらえるという点に関しては、純粋に嬉しいですが、僕としては単純に自分の命の燃焼効率を最大化するというのをどこまでも追求できたら嬉しく思います。


未来進化率の最大化を追求する

どれくらいの頻度で海外に行かれているのでしょうか?かなりの頻度だと思うんですが、不便さや疲労などはどう対処してるのでしょうか?

時期にもよりますが、基本的に1カ月のうち2週間〜3週間は海外にいる生活を数年続けています。
やはりご飯やトイレ、言語の問題など、不便なことはたくさんありますし、時差による各国の仲間とのミーティング時間の設定の難しさや、時差ボケによる睡眠の質の問題など、不便なことは挙げたらキリはありません。

でも、地球を一つの僕らの星として考えたら、世界中の仲間たちとこうやって世界平和のために活動を続けられるのは、これ以上楽しいことはないと思ってるので、細かいマイナスな点ではなく、プラスの方を感じるようにしています。

世界を飛び回っていて、仕事への影響は大丈夫なのでしょうか?

僕自身が社長をやってる会社は一つもないので、それぞれの会社を優秀な仲間たちが守ってくれていますし、今はオンラインツールを使ってやり取りができるので問題はありません。
僕が世界中を回り続け、想像もできない未来を引き寄せることによって、僕の仲間たちにも強烈に還元できると思っています。
それが僕の真価だと思うので、今後も更に自分の価値の最大化を意識しながら思考と行動の幅を広げていきたいと思います。

世界中でビジネスも展開されていますが、投資先などはどのように決めているのでしょうか?

そこはある意味普通で、経営者の方の人間性だったり、業界の成長性だったり事業の新規性や成功確率などから判断しています。
近視眼的な目先の利益よりも、僕は昔から未来進化率って言い方をしてるんですが、人類の進化に寄与できるようなインパクトのある事業に挑戦をしたいと思っています。


アートプロジェクトと今後の動きについて

村主さんがアートにひかれる理由についてお聞かせください。

僕自身、超論理的で学生時代も数学一本で生き抜いてきたタイプの人間なのですが、一方でアートというのは、数式で表せない、論理を超えた魅力があると思ってます。
良い作品に出会った時の、まるで脳みそを直接素手で触られているかのような感覚はとても病みつきになります。

アートだから実現できることは何でしょうか?

アートは非言語で伝わるもので、人間のコミュニケーションの最大の壁になっている言語や文化を飛び超えていける素晴らしいものです。
人々に与える無条件の感動や言語に依存しない共感というアートが持つ力は、僕が掲げている世界平和に対しての一つの答えになりうるものなので、更に追求していきたいなと思っています。

アートプロジェクトが始動するとのことですが、概要についてお聞かせください。

「PEACE PEACE PEACE」という大きなモニュメントを世界各国に設置していくプロジェクトです。
このモニュメントをPEACEの種として世界中に展開していくことで、いつか本当の意味での平和の大輪を咲かすことを目指します。今は各国と交渉に入っている段階で、2024年中にはいくつか設置できるよう進めています。

これまでも多くの講演などもされていますが、今後もその活動は続けていかれるのでしょうか?

ここまで真正面から世界平和というものに取り組んでる人間が少ないということもあり、様々な国の方々から講演のオファーを頂きます。
どうせ毎週様々な国に行ってますので、少しでも多くの方にこの活動を知ってもらい、一緒に世界平和に対して向き合ってくれる仲間が一人でも増えたら嬉しいと思っています。
今後の動きとしては、アートプロジェクトとともに、学校支援のmaaaruの活動をもっと発展させ、世界の子どもたちに貢献していきたいと考えています。
その過程で、さらに多くの方からの刺激を受け、更に新たなことに挑戦していきたいと思います。

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