子どもたちに安心安全な場を提供したい / 支援者・小泉憲一さん インタビュー

今回、スリランカの学校へ支援いただいた小泉憲一さんへ、インタビューを行いました。小泉さんがmaaaruに参加してくださったきっかけや理想的な社会への思いについて伺ってきました。

小泉さんの経歴について

このたびは、maaaruに寄付してくださりありがとうございます。小泉さんはどのようなお仕事をされていらっしゃるのでしょうか?

わたしはエンジェル投資家をやっています。簡単に説明すると、これから会社を起こしたい方や上場させたい方、売り上げを伸ばしたい方たちに対する出資をメインで行っています。元々は起業家として、会社を16社経営していますが、今はオーナーの立場にあるので、会社の利益で様々な投資をしています。

どのような会社を経営しているのでしょうか?

いろんな種類がありすぎるのですが(笑)、変わりどころで言うと、廃棄予定の花を「ロスフラワー」と名づけ、ロスフラワーを用いたブランディング事業に携わっています。このように、SDGsといった社会的に意義のある会社が多いですね。

社会活動に興味を持たれたのはいつ頃からでしょうか?

昔は何の興味もありませんでした。30歳のときに起業しましたが、そのきっかけはお金を稼ぎたいという思いからでした(笑) たくさんお金を稼いでいい暮らしができたらいいな、というのがスタートだったのです。

起業して3年目ぐらいに社長の座を譲ってオーナーになったとき、1年ぐらい世界中をフラフラしていました。散々遊んだ結果、飽きてしまい、一体何をやっているんだろうという感覚に陥りました。お金を稼いだその先が見えない、だったらもっと社会的にいいことをたくさんしていこうと考え方がが変わり、自分が携わる会社も自然とそういう会社が増えていきましたね。

これまでに実際に行ってきた社会活動についてお聞かせください。

3.11や世界で起きた災害に対する寄付はもちろんのこと、10年ほど前から月々4500円で貧困国の子どもの里親のようになれるというチャイルドスポンサーシップの寄付を始めました。そして1年経つごとに人数を倍にしていき、これまでに64人の子どもを支援しました。

maaaruと教育への思い

今回maaaruに寄付してくださったきっかけを教えて下さい。

ロスフラワー事業をはじめ、シングルマザーの経済的支援や小学生の起業家を育てる活動をしている社団の理事など、いろいろやってきたのですが、自分の活動が世界に広がるまでに一体何年かかるんだろうと考えたときに、正直無理だなという思いが心のどこかにありました。そんな葛藤を抱える中で、maaaru代表の村主さんと出会ったのですが、村主さんからmaaaruの構想を聞いた瞬間に、「それいい!」と思い寄付することを決めました。

小泉さんから見て、村主代表はどんな方ですか?

かなりのスピードでいろんなことを達成し、その影響を世界に与えていけるのではないでしょうか。とはいえ、まだ足りない部分もあると感じていますので、自分のリソースを貸すことで面白い化学反応が起きるのではないかなと期待しています。

小泉さんの思う、maaaruのプロジェクトの良いところは何でしょうか?

NPOの方たちは一生懸命活動をされているのですが、各団体がそれぞれバラバラにやって分断されている点がもったいないと思っています。とても強い思いがあるのに、結局経済的に続かなくなり終わってしまうことがよくあります。みなさんがやってることをそのまま継続しつつ、一つのブランドとして統合しようとするmaaaruの考えにとても共感し、これは世界的に面白い動きになるのではないかとワクワクしています。

教育格差を解消するために必要なことは何でしょうか?

教育格差については学校だけの問題ではないと思います。やはり、親たちがそもそも経済的に困窮してるといった社会的な問題が、複雑に絡み合っているのではないでしょうか。子どもの頃に感じる喜びや守られているという感覚が、きっと大人になれば素敵に花開くのではないかと思います。ですので、子どもたちが勉強を純粋に楽しめる安心安全な場として、学校を提供していくことからスタートするのがいいと思います。

スリランカのドネーションツアー

スリランカへのドネーションツアーに参加する前後で、スリランカへの印象はどのように変化しましたか?

渡航する前は、貧しいと聞いてはいましたけど、とはいえ普通に生活はできているんじゃないの?と勝手に想像していました。しかし現地で、1日あたり数人が餓死しているという話を伺いとてもびっくりしました。

現地の子どもたちの様子はいかがでしたか?

今回、わたしのお金は遊具に使わせていただきました。日本だと新しい遊具を見ても、子どもたちが感動して大喜びすることはそうそうありませんよね。しかし、スリランカの子どもたちは、目をキラキラさせて楽しそうに遊んでくれ、その姿に衝撃を受けました。そもそもスリランカと日本の子どもたちの笑顔の質は違うように感じます。子どもたちの笑顔や素敵な感覚といった日本にはない宝物が、スリランカにはたくさんありました。

ツアーに参加してみて印象に残ったことをお聞かせください。

村を挙げての歓迎にとても驚きました。日本で同じ金額を使ってもそんなことはありえません。貨幣価値の差はすぐには埋められないので、少し先を行っている国が、助けを必要としている国へ手を差し伸べるべきだということを再認識しました。

maaaruの活動へ寄せる期待とは

これからのmaaaruの活動に期待していることはありますか?

これほど大きな規模で、子どもの学校に関する社会活動をやっている団体というのは見たことがありません。ですので、maaaruが世界初のものとして、海外の国々を巻き込んで大きなうねりを作っていくということに、とても期待を寄せています。

maaaruが活動していく上で大切なことは何だとお考えでしょうか?

情報と人の繋がりがとても大切だと思います。現地できちんと情報を持っている人や、カウンターパートナーとしてやってくださっているNPO、それこそ日本人でなくとも、現地で活動をしている人たちはいっぱいいるはずです。そういった方たちとの繋がりができたら、この動きはもっと加速するのではないでしょうか。

maaaruの活動をより多くの方へ広めていくためには、どうすれば良いと思いますか?

1人100万円を出そうというコンセプトが面白いですよね。例えば、1maaaruを寄付した人たちは、銀行からお金を1,000万円借りることができるといったように、maaaruへの寄付が信頼経済の指標の一つとして認識されるようになると、上の方の層の人たちはこぞって寄付してくれるのではないでしょうか。maaaruという信頼の単価をもっとブランド化してほしいですね。

また、寄付ってオシャレだよ、素敵なことだよということを知ってもらうために、見せ方をもっと工夫していけば、寄付に馴染みがない層にも届いていくと思います。

寄付文化はどうすれば広がっていくと思いますか?

貴族の考え方に「ノブレス・オブリージュ*」というものがあります。まずは海外のたくさん寄付をしているすごい人たちを見てほしいと思います。とはいえ、みなさん陰徳という考えを持っているため、あまり表には出しません。例えば、芸能人が毎日のようにテレビで寄付をしていますと言えるような世の中になれば、寄付がもっと広がっていくと思います。出すことがかっこいいし、出すことで信頼に繋がるというベースを作っていきたいですね。

*ノブレス・オブリージュ:日本語で「位高ければ徳高きを要す」を意味し、一般的に財産、権力、社会的地位の保持には義務が伴うことを指す。

理想的な社会に向けて

小泉さんが理想とする社会とはどのようなものでしょうか?

みんなが平等にとまではいかなくとも、飢餓や貧困がなくなって、普通に教育を受けられるような社会になればいいなと思います。

読者の方に伝えたいことはありますか?

「いつか寄付できる人間になりたいです」と言う方が多いのですが、本当にそういう人間になりたいのであれば、未来の理想とする自分がやるであろう選択を、まだそうなってない今から始めてほしいです。今できることをやっていくと、寄付できるような余裕があると思えるようになって、人間の器ができていくのではないかなと思います。

小泉さん、このたびはご支援ありがとうございました!今後もドネーションツアーに参加していただければと思います。

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