寄付であなた自身も豊かに / 支援者 ・ Hiromi Wilkさん インタビュー
今回、インドの学校へ支援いただいたHiromi Wilkさん(以下、ひろみさん) へ、インタビューを行い、maaaruの活動への期待や社会問題に対する思いなどについてお伺いしました。
ひろみさんの経歴について
このたびは、maaaruに寄付してくださりありがとうございます。ひろみさんは現在イギリス在住とのことですが、普段どのようなお仕事をされていらっしゃるのでしょうか?
今はエネルギーヒーリングをやっています。エネルギーの状態を整え、その方の感性や天命、資質を引き出したり、それらを阻んでいるものを癒したりしています。
社会活動についてはいつ頃から興味があったのでしょうか?
20代のとき、日本で仕事をしながら世界を見たいという欲求がとても強く、毎年夏はどこかの国を縦断したり、住むように滞在してみたりして過ごしていました。そして、いろんな国を見るうちに、富と貧困、戦争と平和といった世界の二極性を目の当たりにして、そこから世界の調和について考えるようになりました。
20代に訪れた国の中で、特に印象に残っている国はありますか?
エジプトですね。ツタンカーメンのお墓へ行くために、近くの集落でロバを借りました。女友達とロバに乗ってツタンカーメンのお墓へ行くという旅路を12歳の男の子が案内してくれました。そんな小さい子が学校へ行かずに観光客相手に交渉するという、日本ではありえない光景に驚きました。貧しいがゆえに子どもの頃から働かなければならない状況だったと思いますが、この子どもたちが不幸かというとそうではないんですよね。すごく無邪気に笑いそして楽しそうに伸び伸びしていました。ただ、子どもたちが大きくなって、自分の人生を生きたいと思ったときに、どれだけの選択肢があるのだろうかと考えさせられました。
イギリスのチャリティーへの関心の違いについてお聞かせください。
イギリスはチャリティーへ対する意識が全然違います。寄付や支援をしたり、自分たちでお金を募ったり、街中にはたくさんのチャリティーショップが並んでいたりというように、チャリティーが日常のこととして存在しています。例えば、小学校でバスケットボールが必要になったとき、親たちがイベントを企画してそこで集まったお金で購入します。また、わたしの尊敬する人たちが学校を建てたり、どこかの国を支援したり、そのようなことに携わっていて、とても素敵だなと思うようになりました。
これまでに社会活動のご経験はありますか?
昨年どこかの村に井戸を作りたいと思い、仲間を募ってプロジェクトを発足させました。当初ガーナで井戸を作る予定でしたが、政府がそこに井戸を作ることになり、結局わたしたちのプロジェクトは不要になりました。しかし他の国でも井戸を必要としている国があるかもしれないと、本格的に活動を始めたのですが、井戸を作って終わりではないという現実的な問題にぶつかってしまいました。みんなで何かをするという目先の楽しいことしか考えていませんでしたが、維持していくことが大変だということが分かったのです。自分の考えが甘かったと反省し、そこで一旦プロジェクトはストップしました。
maaaruに参加したきっかけと教育への思い
今回maaaruを知ったきっかけについて教えて下さい。
ちょうど、井戸のプロジェクトがストップしたときに、知人のSNSでmaaaruを知りました。世の中には素晴らしい支援がたくさんありますが、それらは個別で行われ分断されています。そういった活動を一つのブランドとして統合しようとするmaaaruのコンセプトに惹かれました。
ひろみさんの思う、maaaruのプロジェクトの良いところは何でしょうか?
学校を1から建てるのではないという点がとても素晴らしいです。昔、ステータスとしてお金持ちが学校を建てるということが流行り、多くの学校ができましたが、結局維持が大変で現実的に管理ができなくなってしまうケースがたくさんありました。例えば、災害で壊れたらそのままになってしまったり、廃棄されたりするといった学校は世界中に乱立しています。maaaruはそのような校舎を使うからスピーディーですし、リノベーションをするので地球にも優しいですよね。また、“和を以て貴しとなす”という日本の美しい精神 で世界を繋ぎ、国や宗教に関係なく平等に子どもたちへ教育を届けようとするスタンスがとても素敵だなと思います。
インドを支援先として選ばれた理由をお聞かせください。
大国でありながらカースト制度という格差問題で貧困層にいる子供達の人数が多いことが一つの理由です。あと個人的なことですが、わたしはインドへ行ったことがありません。インドにはオーロヴィルというエコヴィレッジや、通称・アンマという聖者が世界中からお金を集めて病院や大学を建てているアシュラムがあるので、そこを見に行きたいと思いました。3月に開催予定のインドのドネーションツアーにはぜひ参加したいと考えています。
発展途上国の教育問題についてはどうお考えでしょうか?
学校の設備が十分でないこと、また、学校に通える環境にあっても家が貧困で労働を優先されるのが要因だと思うので、まずはより多くの学校環境を整えることが大事だと思います。そして、家庭の貧困のループを脱するために、将来仕事に役立てられる知識やスキルを養うことが必須だと思うので、やはり教育がとても重要なんですよね。学校では安全と安心が確保されて、子供達が子供達らしくのびのびといられることを願います。
maaaruの活動へ寄せる期待とは
これからのmaaaruの活動に期待していることはありますか?
事務局長の田上さんから、オンライン配信の教育システムを構築し、国や宗教に左右されない愛と調和に通じる教育を展開していきたいというお話を伺い、そのビジョンの実現を楽しみにしています。ジョン・レノンのイマジンのような概念を持つ人たちが増え、優しい世界が広がっていくことを期待しています。
maaaruの活動が広がっていくために必要なことはありますか?
maaaruを知ってもらうのも大切ですが、それ以前に日本人のチャリティーや寄付といった支援に関する意識が変わっていくことが先だと思います。日本の寄付は、駅前で募金箱を持って立っているイメージで、寄付する側や支援する側が疲弊している感じがありますよね。一方欧米は、豊かで自由に生きている人たちが支援するという素敵なイメージがあり、その意識は日本人とは全然違います。
欧米と日本との寄付のイメージの隔たりをなくすためにはどうすればよいでしょうか?
わたしがこのような意識を持つことができたのは、やはりお手本になる方がいたからなんです。こんな生き方がいいなと思える方が周りにいたからこそ、同調できたのだと思います。日本でもそういったお手本になる人たちがもっと前に出てほしいですね。やはり支援は黙ってやりたいという気持ちを持つ方が多いと思います。黙って徳を積むという美学がありますのでその気持ちもよく分かりますが、寄付への意識を変えるためには、支援をしている人たちが幸せであるというあり方を見せていくことが大切です。こんなに大変な事態になっているよと事実をアピールするよりも、寄付して幸せに生きるあり方を見せたほうがみなさんも注目してくださるのではないでしょうか。
理想的な社会に向けて
ひろみさんの考える理想的な社会とはどのようなものでしょうか?
理想の社会は、優しい調和の世界です。現実は、わたしたちみんなの内面の投影で、何に意識を向けるかが現実創造に影響を与え、心の状態や信念が物事の見方に影響を与えていると思っています。ですから、まずは世界に望む変化を心の内から始めることが大切で、各々が内面に調和をもたらし愛や感謝で満たされていくことで、それが社会に反映されて、良い方向へ変わっていくと信じています。
読者の方に伝えたいことはありますか?
「与える」ことをすると、それはあなたの元に必ず戻ってきます。出したものが巡り巡って、周りを豊かにしてまた戻ってくる、宇宙はそうやってバランスをとっているからです。豊かさとは溜め込むものではなく、巡らせるもの。愛を出したら愛が返ってきますので、寄付することであなた自身が豊かになることを実感してみてくださいね。
ひろみさん、このたびはご支援ありがとうございました!素敵なお言葉の数々に心が洗われました。インドのドネーションツアーでは現地の方との交流を楽しんでくださいね。