モンゴルでドネーションツアーを開催 / Mental Seed 社長 ソフィーさん インタビュー
2023年7月2日から8日にかけて、モンゴルにてmaaaruとALL(The Asian Legacy Library)の共同企画によるドネーションツアーが開催されました。ツアーでアテンドしてくださったMental Seed 株式会社社長のソフィーさんに、モンゴルのドネーションツアーの様子やALLの活動についてお伺いしました。
モンゴルのドネーションツアーについて
- ツアーではどのような施設を回られたのでしょうか?
今回はマンホール・チルドレンを支えるモンゴルキッズの家と、ウランバートルにある国立小学校を訪れました。その他には、ガンデン寺やアリアバル寺、国家図書館へ行ったり、遊牧民体験をしたり、瞑想をしたりととても盛りだくさんのツアーでした。
- マンホール・チルドレンとはどのような子どもたちを指すのでしょうか?
他の国ではストリートチルドレンと呼ばれる子どもたちのことです。モンゴルは、7月〜9月以外は全部冬になるのですが、真冬だと零下40度になるため道端で寝泊まりすることができません。さまざまな事情で家に帰ることのできない子どもたちは、マンホールの中に入り、温水の通っている排水管で暖を取りながら暮らしています。
- 小学校の様子はいかがでしたか?
国立小学校の定員は1000名ですが、現時点では4000名ほどの生徒が在籍していて、教室も先生も足りていない状況です。今回わたしたちが訪問するということで、ツアーの参加者約30名のために絵描き部の子供たちが絵をプレゼントしてくれました。すごく上手で参加者の皆さんも大喜びでしたよ。
- 子どもたちとのふれあいの他に、参加者の方たちにとって印象深かった体験はありましたか?
やはりガンデン寺と国家図書館のコレクションを見に行ったことですね。ガンデン寺は古くからある観光地としてとても有名なお寺で、ALL(The Asian Legacy Library)のセンターの一つになっています。それ以外では遊牧民の家に行って、馬に乗ったり羊の丸焼きを食べたり、弓体験をしたりといった体験がすごく楽しかったですね。
ALLの活動について
- ALLとはどのような活動をしている団体なのでしょうか?
アメリカ人のゲシェ・マイケルローチという、チベット仏教の最高学位を取得し、チベット仏教の哲学をビジネスに運用して成功した人物がいます。彼は古代の知恵を伝承する書籍こそ大事だと考え、世界中の希少な蔵書のある場所と提携して、本を保護していくために35年前からALLの活動を始めました。モンゴルでは国家図書館やガンデン寺が古代の書籍を保存していくためのパートナーとなっています。古代の書籍を修復し、スキャンしてカタログを作成し、重要なものから現代語に翻訳を行い、データベースとして世界に公開しています。
- 11月にインドで行われるmaaaruとALLとの共同企画ツアーの見どころについて教えてください。
今度のインドツアーではALLの拠点の一つであるチベット村を訪れます。バンガロールから車で5時間走ってようやくたどり着くことができ、外国人が入るのに特別な許可が必要というとても神秘的な村です。インドのドネーションツアーではありますが、チベット村の子どもたちがどういう教育を受けているのか、村人たちはどうやってインド文化の中に溶け込んでいるのか、といったことを見ることができるのでとても面白いのではないかと思います。
- チベット村とALLはどのような関係があるのでしょうか?
当初、チベット村のお寺のお坊さんに書籍をスキャンした内容を入力してもらっていたのですが、あるとき村に住んでいる女性が「その仕事はわたしたちにもできるのでしょうか」と尋ねてきました。試しにお願いしてみると、お坊さんよりも仕事は早いし綺麗に仕上がるので、女性たちを採用するようになったんです。元々はお金も仕事もなく、いろんな偏見を受けてきた方たちに、ALLが仕事という環境を作りました。
最後に
- 読者のみなさんに何か一言メッセージをお願いいたします。
やはり現地に行って体感してみないと分からないことは多いと思うので、こういったドネーションツアーにぜひ参加してほしいなと思います。日本にいるだけでは考え方を変えるチャンスというのはあまりありませんが、現地に行くと毎日新しい発想が出てきます。今回のツアーでは「日本に帰ったらこんなことをしたい」と多くの方が語っていて、現地の体験というのはやはり行動につながっていくのだと感じました。
maaaruのドネーションツアーは、本当に価値観が揺さぶられますし、心から自分の人生をどう生きるべきか、本当に大切なものは何かということについて考えさせられる時間と空間だと思います。