ダールアルゼイトゥン小学校
Dar Al Zaytun
Kharbet Al-Joz, Idlib, Syria
教育機関: 小学校
生徒数: 170 名
支援者: フジワラ マリ
困っていること
2023年2月6日にシリアとトルコを襲った大地震の際、本校は被害を受け、外壁の一部が崩壊し、教室内にも大きな亀裂が生じました。決して、子どもたちが安心して勉強ができる環境ではありませんでした。
ラップトップ、プロジェクター、プリンターなどの教育用機材が不足しており、IT教育を行うことに難しさを感じています。また、電力の供給が安定していない地域であるため、太陽光発電が無いと電力を使うことが非常に不便な状況です
公共の交通機関も周囲にないため、生徒や先生方は長距離を徒歩で登校しています。
現地の状況
シリアは2011年3月から戦争が始まり、11年以上経った今も終わってはいません。
幸いなことに、戦闘自体は減ってはいるのですが、ニュースに取り上げられることも減ったことで、シリアへの支援も減少しています。しかし、シリア国内は、経済制裁や国際情勢から物価が高騰し、生活費がどんどん上がっており、「戦闘が最も激しかった時以上に生活が厳しい」という声が現地から届くほどの状況にあります。
支援校のあるシリア北西部は、他の地域から逃れてきた「国内避難民」が多く集まる場所です。人口が増えて子ども達の数も増えているため、学校や先生が不足しています。
戦争が起こる前までのシリアは、就学率が99.6% (出典:UNICEF) で、大学も無料で行くことができ、教育レベルも非常に高かったことで有名でした。しかし、現在、就学年齢の半分近くの子ども達が学校に行けておらず、字の読み書きができない子ども達も増えてきている、という声もあります。
学校に行けない期間が3年以上続いた子ども達は、学校に戻るのを嫌がるようになります。そのような世代は「スキマの世代」と呼ばれ、物乞いや武装勢力の兵士となりかねない状況にあります。
そのような状況下に追い打ちをかけるように、2023年2月に発生した大地震では、シリア北西部は大きな被害を受け、地震から半年以上経った今でも、学校の校舎が修復できずに教育を受けることができていない子どもが多くいます。
私たちは、シリアの未来を創る世代である子どもたちに教育を届け続けることで、シリアの平和をつくっていきたいと思います。
活動報告