school 学校詳細

パンダノン エレメンタリー スクール

Pandanon Elementary School

フィリピン共和国

Pandanon, Jetafe, Bohol

教育機関: 公立小学校

生徒数: 600

支援者: 阿曽 将成

パンダノン小学校は本離島村落において唯一の教育施設として現在500余名の生徒を抱えている。教育省の管轄はボホール州ヒタフェであるが、管轄内村落コミュニティの中で最も本島から遠く、島内で生活する教員は1名のみであり他の教員は他島からの通いであるため海が荒れたり荒天時には授業が行えないことも多い。また、2021年末の台風時に国内の学校で最大の台風災害を受けた学校であり、校舎破損をはじめ貯水タンクや手洗い場、トイレといった子ども達の健康や学びを支えるべき基本的な施設の復興がなされず未整備状態にある。こうした環境の中、入学率に比して小学校の卒業率は60~70%程度にすぎず、30~40%以上が中途退学、特に女子の離脱率が高く生徒たちの学習継続率を保つことが難しい状況にある。

困っていること

当該村落は島内全土において水道施設がない現況があり、小学校もまたタンクに貯水する雨水に頼っている状況であるが、その水タンクや手洗い場が破損したままになっており、子ども達は劣悪な衛生状況に置かれている。 もともと設備不足状態であったところに台風の打撃を受け、校舎の1列全て(4教室)を失ってしまったことで、屋外での授業実施を余儀なくされ子ども達は炎天下に耐え授業を受けている。 荒天による授業の中止、水回りの施設不足を含む衛生状況の劣悪さから体調を崩す生徒も後を絶たず、学校に通うこと自体を諦めてしまうケースもみられ、ドロップアウト率も高く、学習意欲や継続率を上げるのが難しい状況にある。教師達は教え子が学業を諦めてしまう現状を嘆きそのモチベーションにも影響が出ている。本島から距離的に大きく離れ公的支援の手が届かないことも再建を阻む大きな要因であり、まさに「取り残された」状況にある。

現地の状況

発展途上国フィリピンにおいて対象支援地であるパンダノン島は最貧困エリアに属し、基本的なライフライン・教育インフラなどがいまだに整備されず、衛生・医療・教育と多岐にわたる社会的課題を抱えている。 漁師として生計を立てている家庭の割合が9割、平均月収はわずか3000ペソ(約7000円)という額で平均家族5~10名を養っていかねばならない現状にある。 そして、2021年末の大型台風による被災により、これらの恒常的な課題がさらに深刻になり2024年現在に至るまでその経済状況から復興のめどがたっていない。 セーフティネットが脆弱で、食べていくことを優先せざるえない状況にあるため、教育に関してはあらゆる面でリソースが大きく不足し子どもたちの学習環境は危機的状況にある。 衛生面を含む子ども達の育成を図る場としての教育環境の改善は喫緊の課題であると言える。

活動報告


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