school 学校詳細

スィーウィエンカム小学校

Syviengkham primary school

ラオス人民民主共和国

Syviengkham village, Pek district, Xiengkhouang province

教育機関: 小学校

生徒数: 100

支援者: 一ノ瀬 紫月

同校も、県庁所在地であるペック郡にあるにもかかわらず、市街地からは遠く離れており、未舗装道路が多く、交通が不便な地域に建っている。児童の約90%が山岳民族のモン族で、主要民族であるラオ族は僅か10%程度である。児童約100名が校舎2棟(2棟の校舎は教室部分は、ほぼ同じ大きさ。本申請事業の校舎には職員室が含まれていない)に分かれて学習しているが、児童数は年々増加しているため、今後教室の不足が深刻となることが予想される。弊会の新事業であるNGO連携無償資金協力事業における不発弾回避教育の対象校である。

困っていること

2棟のうちの1棟の老朽化が進み、特に屋根の破損により雨漏りがひどく、使用が難しい教室もある(雨季は長期休みに重なる期間もあるが、教室を使用しない期間でも雨漏りで屋根の梁などが腐食したりする)。児童が増加しているため、すべての教室が常に使用できるようにしたい。また児童約100名に対しトイレが2室しかなく、かつトイレや生活用水に用いる地下水の井戸が雨季には水が使用できるものの、乾季には不十分で、トイレが使えなくなることも多い。同校も不発弾が多い地域にある。

現地の状況

ラオス人民民主共和国は、ベトナム戦争中に米軍より激しい空撃を受けた。空爆の回数は約58万回、爆弾の量は200万トン以上(当時の人口比で1人当たり1トンの爆弾が落とされた)であり、「1人当たりの空爆の数が世界で最も多い国」である。ラオスに多く投下されたクラスター爆弾(大きな容器となる親爆弾の中に数百個の子爆弾が入った爆弾)は、子爆弾の数が2億7000万発に上り、そのうちの約30%の8000万発以上が不発弾として残存した。テラ・ルネッサンスの事業地である北部シェンクワン県には、主にクラスター爆弾が投下されたため、現在でも不発弾による被害は続いている。ラオスにおいて1990年代より約30年間で撤去された不発弾は1〜2%程度である。同約30年間での不発弾事故被害者数は、シェンクワン県では3300名を超え、その多くが子どもである。不発弾汚染の影響もあり、同県は後発開発途上国であるラオスの中でも貧しい県であり、また多民族国家(50民族)のラオスの中で、同県は山岳民族のモン族が40%近くを占めるが、幼稚園および小学校においてモン族の子どもが国語であるラオス語の習得が不十分なため、授業についていけず、落第・退学となるケースも多い。特に家から遠い学校に通わざるを得ないこと、学習環境が良くないことは、学校をドロップアウトする大きな原因となっている。


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