school 学校詳細

スィースィエンマイ小学校

Syxiengmai primary school

ラオス人民民主共和国

Naxou village, Pek district, Xiengkhouang province

教育機関: 小学校

生徒数: 120

支援者: 福井 智子

同校は、全児童の約80%が山岳民族のモン族の子どもであり、主要民族であるラオ族は僅か20%程度である。県庁所在地であるペック郡にあるものの、市街地からかなり離れた位置にあり、未舗装の道路も多く通らざるを得ないエリアであり、他の地域へのアクセスも比較的不便である。同校は弊会の先行事業とは全く違うエリアにあるが、同地域も不発弾が多く残存する地域であり、新事業であるNGO連携無償資金協力事業における不発弾回避教育の対象校である。

困っていること

同校の校舎はコンクリート製で、見た目は比較的きれいに見えるが、特に屋根は雨漏りがひどく、雨季には児童が学習を行うには支障があり、また長期休みで教室を使用しない期間であっても雨漏りにより屋根の内部の梁などの傷みが進む。また3室のトイレがあるが、破損や詰まりがあり、また特に乾季には地下水の供給も不十分であり、実際にはあまり使用できていない。本申請では、屋根の修理とトイレ1棟(3室)、水回り(地下水工事)、現在あるトイレの修繕を希望している。

現地の状況

ラオス人民民主共和国は、ベトナム戦争中に米軍より激しい空撃を受けた。空爆の回数は約58万回、爆弾の量は200万トン以上(当時の人口比で1人当たり1トンの爆弾が落とされた)であり、「1人当たりの空爆の数が世界で最も多い国」である。ラオスに多く投下されたクラスター爆弾(大きな容器となる親爆弾の中に数百個の子爆弾が入った爆弾)は、子爆弾の数が2億7000万発に上り、そのうちの約30%の8000万発以上が不発弾として残存した。テラ・ルネッサンスの事業地である北部シェンクワン県には、主にクラスター爆弾が投下されたため、現在でも不発弾による被害は続いている。ラオスにおいて1990年代より約30年間で撤去された不発弾は1〜2%程度である。同約30年間での不発弾事故被害者数は、シェンクワン県では3300名を超え、その多くが子どもである。不発弾汚染の影響もあり、同県は後発開発途上国であるラオスの中でも貧しい県であり、また多民族国家(50民族)のラオスの中で、同県は山岳民族のモン族が40%近くを占めるが、幼稚園および小学校においてモン族の子どもが国語であるラオス語の習得が不十分なため、授業についていけず、落第・退学となるケースも多い。特に家から遠い学校に通わざるを得ないこと、学習環境が良くないことは、学校をドロップアウトする大きな原因となっている。


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