寄付は自分の成長・変容の出発点〜eye maaaru ツアー発起人 與良だいち さんインタビュー
maaaru支援者である與良だいちさんと、maaaruカウンターパートナーの認定NPO法人GLOBE JUNGLEがタッグを組んだカンボジアツアーが12/1〜12/6にかけて行われました。今回は、その発起人である“変な眼鏡屋”與良だいちさんへインタビューを行い、ツアーのお話や、maaaruの活動への思いについて伺いました。
“変な眼鏡屋”とは?
- まずは、簡単な自己紹介をお願いいたします。
「目は表に出た脳」を前提とした新感覚なコンセプトのメガネ『チャクラグラス』を開発、展開しています。「光や情報をどのように脳に届けるか」によって、感覚・感情、姿勢・呼吸、思考・行動、性格・生き方まで影響を与えることができ、それをメガネで実現しています。メガネを単なる視力矯正のためだけでなく、脳のマネジメントツールとして価値を再定義しました。さらに面白いところは「チャクラ」を採用したところ。インドの伝統医学では「チャクラ」という7つのエネルギーの通る場所があると考えられていて、そのチャクラの色に合わせたカラーレンズを展開するという、他と違ったメガネ屋をやっています。
- どうして変わったメガネ屋になろうと思ったのでしょうか?
僕自身、長年メガネ難民でなかなか自分に合ったメガネに出会えなかったのですが、あるメガネと出会えて、生き方がすごく楽になったんです。そのときに、メガネは単によく見えるための道具ではなくて、心も体も楽にしてくれる道具なんだと気づきました。それがきっかけとなって、45歳未経験でメガネ屋を開業しました。チャクラグラスが、生きづらさを感じている人や、可能性を開きたい人のためになればいいなと思っています。
maaaruでの活動について
- maaaruに参加しようと思ったきっかけについて教えてください。
maaaruの理念に共感したことはもちろんですが、代表の村主さんの思考と行動をそばで見てみたいなという思いもすごく大きいです。何の恥ずかしげもなく本気で世界平和を連呼し、そしてただ連呼するだけではなく、本気でアクションを起こしていることに度肝を抜かれました。また、僕は英語ができなくて、これまで世界とは無縁でしたが、maaaruをきっかけに世界へ踏み出すきっかけにもなればという思いもありました。
- ツアーで子どもたちの検眼をしようと思ったのはなぜですか?
もしツアーに参加するなら、ただ楽しむだけではなくて、僕にとって意味があることができないかなとずっと考えていました。そんなとき、途上国の子どもたちの中には、実は目が悪い子がいるかもしれないという情報を見つけたんです。途上国の人たちは、目がいいという印象がありますが、そもそも視力検査が行われておらず、目がいいかどうかわからないというのが実態で、目が悪いが故に、交通事故に遭う子もいるという情報も見つけました。どうせ行くなら各国で子どもたちの目を測って確かめてみたいという好奇心が湧き、企画しました。カンボジアの前にスリランカとルワンダで検眼しましたが、メガネが必要だったのは、スリランカで20人中2人、ルワンダでは60人中2人という結果で、スリランカでは子どもたちにはメガネをプレゼントもしました。
- カンボジアでの eye × maaaruツアーの大変だったところや印象的なところを教えてください。
maaaruでのカンボジアツアーは過去に何回か行われていたこともあり、今回募集をかけても、初めのうちは申し込みがありませんでしたが、このツアーの目的や僕の思いを発信していたら、最終的に19名が参加するツアーになりました。一般的な旅行であれば、その国の遺跡に行ったり、文化に触れたりすることが、大きな目玉だと思いますが、maaaruのドネーションツアーのいいところは、学校に行って現地の子どもたちと交流できたり、家を訪問できたりと、臨場感のある生活に触れられるところが印象的だと思います。あと、約200名の検眼ができたことと、街のメガネ屋さんに行って、カンボジアのメガネ事情をいっぱい調べることができたのがとても良かったですね。実際に検眼してもらって、メガネも買いました。
- カンボジアの子どもたちの目の状態はいかがでしたか?
結論から言うと、カンボジアの子どもたちの目はそんなに悪くなく、視力の悪い子どもたちにメガネをプレゼントしようという当初の思惑は外れてしまいましたが、逆に行ってみてわかったこともあります。それはみんな目がいいが故に、老眼になるのが早いということです。一番問題だと感じたのは、カンボジアではメガネはまだ高級品で、みんなが持つのは難しく、学校の先生たちの中には、手元がよく見えない状態で教えている人がいるということです。大人が学べないと、子どもたちに新しい情報を提供することができません。そこから僕は、「途上国の老眼が放置される = 大人の知的成長がない国になる」ということと、「だからカンボジアの産業の7割が農業になってしまっている、なかなか貧困国から脱せられない」という2つの仮説を立てました。老眼鏡が学校の先生たちに普及すれば、大人の学び方や教え方が変わり、子供たちにもいい影響を与えるのではないかと仮説を立てました。
今後の展望について
- 今後のカンボジアでの活動についてお聞かせ下さい。
2024年1月25日から再び訪問することにしたんです。学校の先生方に老眼鏡を配り、それらが使われるのかどうか、そして使われた結果、先生自身の学びの質や教える質が変わるのかを検証していきたいです。また、メガネだけでは終わらせずに、ビジネスパーソンや教育に携わっている人など、現地のいろんな人に会ってくる予定です。色々なニーズを探って、それを一緒に実現できる仲間を見つけ、『世界平和×ソーシャルビジネス』で何かできるのではないかとワクワクしています。そうやってmaaaruを起点にして、問題を自分ごととしてとらえ、新しいアクションにつなげていくことが、みんなにも波及していけば素敵ですよね。それが、maaaruの新しい形になって、僕がそのパイオニアの役割を果たせたらいいなと妄想したりしています。
- 最後に、読者の皆さんへのメッセージをお願いいたします。
maaaruは世界平和のための活動であると同時に、自分の可能性を開くことができるものだと思います。自分のためにやることが、結果として世界のためにもなるということに、参加して半年で気づきました。寄付の100万円は、自分の能力を開発するための投資とも捉えられます。寄付して終わりではなく、むしろ、自分の成長・変容のスタートであると確信しました。是非一緒にツアーを回ったり、勉強会で学び合ったりしていきましょう。