シリアを支援する中野貴行さん ニューズウィーク日本版「世界が尊敬する日本人100」に選出
以前、こちらの記事で紹介させていただいたPiece of Syria代表の中野貴行さんが、シリアにおける人道支援の分野での功績が高く評価され、ニューズウィーク日本版の「世界が尊敬する日本人100」に選出されました。中野さんの経歴や活動内容、選出についての思いについてご紹介します。
中野さんの経歴と活動内容
2008年から2010年にかけて、青年海外協力隊の一員としてシリアでの活動を始めた中野さんは、その後もシリアに深い関心を寄せ、2015年にシリア人難民とシリア支援団体を訪ねて、中東と欧州の10カ国をめぐりました。
2016年、中野さんは「シリアをまた行きたい国にする」という使命感から、シリア支援団体 “Piece of Syria” を設立。彼はトルコのシリア人NGOと協働し、シリア国内避難民とトルコのシリア難民に教育支援を実施しました。
中野さんは、シリア内戦による人道危機の解決に向けて活動しています。シリアは長期にわたる内戦と紛争の影響を受け、数百万人の避難民と被災者が支援を必要としている中で、中野さんは主に広報活動や寄付を集め、国内の活動に関しては、現地パートナーに主体的に取り組んでもらいながら、シリアの人々を支えています。
「世界が尊敬する日本人100」に選出
ニューズウィーク日本版で「世界が尊敬する日本人100」に選ばれた中野さんは、その活動の偉業が国際的に認められました。この特集では、「他者のために能力を惜しみなく発揮し世界を牽引する日本人、誰も見たことのない風景を切り開く、挑戦者たる日本人」として選ばれ、メジャーリーガーの大谷 翔平さん、フィギュアスケーターの羽生 結弦さん、映画監督の是枝 裕和さん、ペシャワールの会の故・中村 哲さんも選出されています。シリア内戦で難民となった方々に現地で会い、その声を拾うという行動力、長引く内戦下でPiece of Syria として継続的な支援を行っていること、現地の方々からの信頼も得ているというのが中野さんの選出理由です。
中野さんは、この栄誉ある選出について次のようにコメントしています。
「身に余る光栄ではありますが、スタッフ、家族、そして何より、ご支援いただいた皆様と共に受賞したものだと感じています。僕一人の力は、本当に些細なものです。ですが、それを応援してくださるお一人おひとりの力があったからこそ、シリアの子ども達に夢と希望を届けられる活動ができています。だからこそ、今回の選出は、みなさまと一緒に掴んだ快挙だと感じております。今回の選出をひとつの”通過点”として、これからも『シリアをまた行きたい国にする』というミッションに向けて活動を続け、皆さんと一緒に平和なシリアを訪れることができる未来を実現したいと思います。」
引用:https://piece-of-syria.org/news/media/newsweek_japan2023.html
中野さんの言葉からは、彼の人道的な情熱と使命感が伝わってきます。彼の長年にわたる献身的な努力が、シリアの人々と世界に希望と変革をもたらすための大きな一歩であることは間違いありません。今回の選出は中野さんの活動が多くの人々に感銘を与えてることを物語っています。中野さんの活動に更なる注目が集まることを願っています。
画像:本人提供、Piece of Syria HPより